【速報5】台湾東部沖地震:地震から間もなく1か月、日赤は3億円の資金援助を実施

 4月3日に台湾東部沖で発生した地震から間もなく1か月を迎える中で、現地の被害状況が少しずつ明らかになってきました。今回の地震では、建物の倒壊や土砂崩れに巻き込まれ17名が死亡、1,155名が負傷、現在も2名が行方不明のままであることが確認されています。また、揺れにより452棟の建物が損壊被害を受け、そのうち102棟は建物の取り壊しや早急な修繕・補強が必要となっており、約1,900世帯の居住環境に大きな影響が及んでいます(4月18日時点)。

 余震は徐々に減少傾向にありましたが、同月23日には、花蓮県付近を震源とするマグニチュード6レベルの地震が相次いで発生し、高層ビルが傾くなど、新たな被害も発生しました。引き続き予想される余震や重なる大雨が被災地の状況を悪化させることも懸念され、現地は余震への備えが必要とされています。

画像 落石により通行ができなくなってしまった太魯閣渓谷の遊歩道©台湾赤十字組織

 台湾赤十字組織(台湾赤)は、発災直後から継続してきた捜索・救助活動を中心に、被災地での救援活動を行ってきました。これまで、花蓮支部の災害対応チーム32名が動員され、消防庁と協力して負傷者や行方不明者の捜索、避難誘導などの活動を計8回実施。多くの方が閉じ込められた太魯閣渓谷での活動中には、落石が発生するなど、自らの命の危険もある中、懸命な活動が続けられました。

 また、11名のボランティアが、避難所の設営や、ロジスティクス・事務管理の支援にあたり、4月3日から6日まで花蓮市の3か所で計46張のテントを設営。被災者の一時避難場所として利用されました。加えて、今回の震災により犠牲になった17名の方のご遺族に弔慰金を給付。連絡の取れた負傷者19名にもお見舞い金を給付しています。台湾赤は、今後も中長期的に被災者を支援することを計画しています。

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太魯閣渓谷の捜索・救助活動©台湾赤十字組織

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一時避難のテントを設営©台湾赤十字組織

日赤は台湾赤へ3億円の資金援助を実施

 日本赤十字社は同災害を受け、4月5日から「2024年台湾東部沖地震救援金」の受付を開始しています。救援金の受付開始から現在まで、多くの皆さまにご支援いただき、この度、台湾赤十字組織へ3億円の資金援助を実施することができました。これらの資金は、台湾赤による、救援から復興を見据えた下記のような支援計画(4月18日時点)に活用される予定です。

緊急支援 震災の影響を受けた人びとに見舞金の給付など経済的支援を実施。
居住支援 政府が危険であると認定した建物被害を受けた被災者に、家庭用品の引換券(各世帯 約143000円分)を配付。
教育支援 震災の影響を受けた地域において学費や教育補助金を提供。
防災支援 震災の影響を受けた地域のレジリエンス(回復力)強化のため、コミュニティベースの防災訓練を組織。
救護体制強化 台湾赤の救護活動のための車両、通信設備、資材や装備の強化及び訓練の実施。

 今後も、台湾赤は被災者のニーズに合わせて、支援計画を柔軟に策定し支援を続けていく予定です。引き続き、皆さまの温かなご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

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「2024年台湾東部沖地震救援金」

受付期間: 2024年4月5日(金)~ 2024年6月28日(金)

使途  : 台湾赤十字組織が行う救援・復興支援活動及び防災・減災事業等